従来の内容よりコミュニケーションについての学習が強調されており、情報機器のハードウェアとしての発達の歴史に偏らず、コミュニケーションツールとしての発達の歴史を学習させる内容になっている。情報機器の発展がコミュニケーション手段の変化をもたらし、コミュニケーション手段の発達が更なる機器の発展を促すといった相互の関係について学習させる。

すでに多くの生徒が電子メールやウェブサイトを利用していると考えられるので、それらの利便性だけでなく、個人情報やパスワードの流出といった危険性にも触れながら、情報セキュリティの確保について学習させる必要がある。

コミュニケーションのために機器の操作法を学習するのではなく、コミュニケーションを効果的に行う方法について学習させることになった。電子メールや掲示板への書き込みといった実習を通して、マナーやモラルを踏まえた効果的なコミュニケーションができているかといった自己評価を行わせることが考えられる。

望ましい情報社会とはどのようなものか、また、それを構築するためにはどうすればいいのかといった問題について生徒に考えさせる。情報化が社会に及ぼす影響には、「影」の部分があることに着目させ、どうすればそれを減らせるか考えさせ、討議させるといった活動を取り入れる。

技術的対策がどれほど進化しても、それを使う人間が正しく使わなければ情報セキュリティは確保できないということを、情報漏えいなどのニュースを題材にして学習させることが考えられる。

著作権法、個人情報保護法、不正アクセス行為の禁止等に関する法律などの法律に基づき、情報を収集・発信しようとする際の個人の責任について学習する項目である。単に法律に関する知識を身に付けるだけではなく、生徒が自分の問題としてとらえられるような具体的な題材を提示して学ばせる。

POSシステム、座席予約システム、気象観測システムといった具体的な情報システムについて、生活とのかかわりや社会における影響を生徒が調べ、発表する活動を取り入れる。

利用しやすい情報システムとはどんなものが考えられ、それに対し現状ではどんな問題点があってどう改善していけばよいのか、生徒に考えさせることが必要である。

問題の発見と明確化、分析、解決策の検討、実践、結果の評価などの問題解決の基本的な流れを理解させ、問題を解決するために情報機器や情報通信ネットワークを活用させることを通じて、問題解決法そのものの習得を目指している。