神奈川県立総合教育センター平成19年度研究成果物
授業におけるICT活用ガイドブック 〜理科編〜

目次 背景 ICT活用の5W1H ICT活用の工夫 授業実践 普及に向けて
なぜ使う? 何を見せる? どこで使う? いつ使う? 誰が使う? どのように使う?



疑問ICTを活用するメリットは何ですか?
答え ICT活用は児童・生徒と教員の双方にとってたくさんのメリットがあります。その具体例は次のとおりです。

ここがポイントPCは教材作成に優れた道具です。
 PCの扱いに慣れるまでは、PCを使う方が教材作成に時間がかかることがありますが、慣れてしまえばPCを使った方が効率よく教材を作成できます。

疑問ICT活用は「確かな学力」の向上に効果はあるのですか?

答え様々な研究成果から効果が示されています。
独立行政法人メディア教育開発センターが文部科学省委託事業として行った「ICT活用による学力向上の証し−実証授業により指導の効果検証結果の報告−」で、ICT活用が確かな学力の向上に校があることが明らかにされています。他にも様々な機関の研究成果から、ICT活用の効果が示されています。

第1表 ICT活用の目的とその実践例

観点 活用例
関心・意欲・態度
(※1)
○授業に関連する最新ニュースの画像を提示し、興味・関心を高める。
○現在の天気図を提示して気象に関する興味・関心を高める。
○本時の学習のねらいをスライドで提示し、学習意欲を高める。
○身近な地域の画像から疑問点を発見させ、学習のねらいに結び付ける。
思考・判断
(※2)
○動画を一時停止し、その後の変化を予想させる。
○クイズ形式のデジタル教材を活用して変化の様子を考えさせる。
○問題文を読ませ、その現象をイメージさせた後に画像を提示する。
○1枚の画像から発見したことを発言させる。
技能・表現
(※3)
○実験の手順を拡大提示し、実験器具の正しい使い方を身に付けさせる。
○実験の失敗例を提示し、実験を手順通りに慎重に行わせる。
○プレゼンテーションソフトウェアで発表資料を分かりやすくまとめさせる。
○児童・生徒が描いたスケッチを実物投影機で拡大提示して発表させる。
知識・理解
(※4)
○前回の授業で撮影した実験の動画を見せて知識の定着を図る。
○動画を繰り返して提示し、イメージの定着を図る。
○授業のまとめをスライドで提示して知識の定着を図る。
○教科書の図では分かりにくい運動の様子を動画で説明し、理解を深める。

ここがポイントICT活用の効果は幅広い。
 ICTの活用は、それぞれの観点においても、確かな学力の向上の効果が期待できます。第1表をヒントに、ICT活用の幅を広げていきましょう。

疑問ICT活用の目的にはどんな例があるの?
答えICT活用の目的を11の分類で整理しています。
 教育情報を扱う中核的なWebサイト「教育情報ナショナルセンター(NICER)」のIT授業実践ナビ(http://www.nicer.go.jp/itnavi/)では、実践例を基に、ICT活用の目的を11種類に分類しています(第1表)。ここに示されるICT活用の目的を達成するためには、それぞれICTを活用しない方法も考えられますので、学習内容や児童・生徒の状況に応じて使い分けることが大切です。

第2表 ICT活用の目的とその実践例

ICT活用の目的 ICTの活用例
課題の提示 最新のニュース映像や身近な現象等をデジタル教材で提示し、児童・生徒に課題を発見させたり、課題意識を持たせたりする。
動機付け 児童・生徒が興味を持つ画像や、学習意欲が湧くような説明資料を提示する等、動機付けとしてICTを活用する。
教員の説明資料 児童・生徒に配付した資料と同じ資料を拡大提示する等、黒板で説明する代わりに、ICTを活用して説明する。
学習者の説明資料 児童・生徒が作成した発表資料をICTを活用して提示させ、発表させる。
繰り返しによる定着 動画やアニメーション、音声等を繰り返し再生して、そのイメージを定着させる。
モデルの提示 分子モデル、天体の運動、地球内部の運動等、実物を見せることが難しいものをデジタル教材でモデルを提示する。
失敗例の提示 実験の失敗例を実際に見せることが危険であったり、コストや時間がかかったりする場合等に、デジタル教材で提示する。
体験の想起 月の運動や季節の変化、地震等、すべての児童・生徒に共通した体験を映像で提示し、思い出させる。
比較 盾状火山と鐘状火山の色や形等、実物では比較が難しい場合にデジタル画像で比較する。
振り返り 前時の授業を撮影した動画を使って学習内容を振り返させる。
体験の代行 宇宙空間や海中等、実際には体験できないことを映像で体験させる。

ここがポイント
1回のICT活用の目的が複数の分類項目にまたがる場合もあります。
この分類を参考にして何のためICTを活用しているのか、目的意識を持つことが大切です。
目次 背景 ICT活用の5W1H ICT活用の工夫 授業実践 普及に向けて
なぜ使う? 何を見せる? どこで使う? いつ使う? 誰が使う? どのように使う?